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2015年8月21日更新 | 一般財団法人 日本税務協会

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はじめに

 近年、多国籍企業が税制の隙間を利用した節税 対策により税負担を軽減していることに国際的な 批判が高まっています。この問題に各国で協調し て対応するため、経済協力開発機構(OECD)の

租税委員会において、G20メンバー国との協働の 下、「税源浸食と利益移転(BEPS:Base Erosion and Proit Shifting)プロジェクト」の取組みが 進められており、平成26年 9 月にその第一弾の報 告書が公表されました。また、外国の金融機関を 通じた国際的な脱税及び租税回避に対処するため、

目    次

一 外国子会社配当益金不算入制度の改正 ������������������ 617 二 非居住者に係る金融口座情報の自動的

交換のための報告制度の整備 ����� 624 三 国外転出をする場合の譲渡所得等の特

例(二重課税調整関係)の創設 ���� 672 四 外国金融機関等の店頭デリバティブ取

引の証拠金に係る利子の課税の特例の創 設 ����������������� 679 五 特定外国子会社等に係る所得の課税の

特例等の改正 ������������ 689 ㈠ 特定外国子会社等に係る所得の課税

の特例(外国子会社合算税制)の改正 ����������������� 689 ㈡ 特殊関係株主等である内国法人等に

係る特定外国法人の課税の特例(コー ポレート・インバージョン対策合算税 制)の改正 ������������ 698 六 国際課税原則の帰属主義への変更の円

滑な実施のための改正 �������� 701 Ⅰ 法人税法関係 ���������� 701 ㈠ 外国法人の法人税 ������� 701 1  課税所得の範囲の変更等 ��� 701 2  国内源泉所得の範囲 ����� 702 3  恒久的施設帰属所得に係る所得

の金額の計算 ��������� 703 4  外国法人の中間申告 ����� 705

5  外国普通法人となった旨の届出 等 �������������� 706 ㈡ 内国法人の外国税額控除 ���� 708 1  国外所得金額 �������� 708 2  国外事業所等帰属所得に係る所

得の金額の計算 �������� 710 3  その他の国外源泉所得に係る所

得の金額の計算 �������� 713 4  控除限度額の計算 ������ 714 5  連結国外所得金額 ������ 715 Ⅱ 所得税法関係 ���������� 717

㈠ 非居住者及び法人の納税義務・源 泉徴収 ������������� 717 ㈡ 居住者の納税義務 ������� 747 Ⅲ 租税特別措置法関係 ������� 772 Ⅳ 租税条約等実施特例法関係 ���� 779 Ⅴ 地方法人税法関係 �������� 780 Ⅵ 復興財確法(復興特別所得税関係)

����������������� 781 七 適格合併等の範囲等に関する特例(ク

ロスボーダーの組織再編成に係る適格性 判定の特例)の改正 ��������� 781 八 法人税改革関係���������� 785 九 行政手続における特定の個人を識別す

(2)

同年、OECDは、非居住者に係る金融口座情報を 各国税務当局間で自動的に交換するための国際基 準(「共通報告基準」)を策定し、同基準はG20財 務大臣会合及びサミットにも報告されました。平 成27年度税制改正では、こうしたG20/ OECDが 推進しているBEPSプロジェクトや金融口座情報 の自動的交換といった国際的取組みを踏まえ、主 として以下のような措置を講じています。  第一に、外国子会社配当益金不算入制度の見直 しを行い、内国法人が外国子会社から受ける配当 等が当該外国子会社の本店所在地国の法令上、課 税所得の損金の額に算入することとされている場 合(損金算入配当の場合)には、本制度の適用対 象から除外する措置を講じました。通常、配当は 課税所得の損金の額に算入されませんが、一部の 外国の法令では損金算入が認められる一方、わが 国で益金不算入とされて課税されない場合、いず れの国でも課税されない、いわゆる「国際的二重 非課税」が生ずることとなります。BEPSプロジ ェクトの報告書(行動 2 )では、国際的な二重非 課税を防止する観点から、配当益金不算入制度の 採用国は損金算入配当を適用対象外とすべきであ ると勧告されており、本改正はこうした勧告を踏 まえて行ったものです。

 第二に、金融口座情報の自動的交換に関する G20/ OECDによる国際的取組みへのコミットメ ントを受けて、外国の金融機関の口座を通じた国 際的な脱税及び租税回避に対処することを目的と して、OECDが策定した共通報告基準を国内法制 化し、国内の金融機関に対し、非居住者が保有す る口座の情報について国税庁に報告することを義 務付けました。

 わが国では、国税庁に国内の金融機関から提出 された非居住者の口座情報(2017年報告分から) は、租税条約等に基づいて外国の税務当局に2018 年から提供されることが予定されており、租税条 約等の相手国の税務当局からわが国の居住者の口 座情報の提供も同様に予定されています。  また、平成27年度税制改正ではBEPS関連以外 についても、国際課税関係では主に次のような改

正を行っています。

 第一に、店頭デリバティブ取引に係る証拠金利 子の非課税制度の創設を行い、外国金融機関等が、 国内金融機関等との間で平成30年 3 月31日までに 行う店頭デリバティブ取引に関して当該国内金融 機関等に預託する証拠金で一定のものにつき支払 を受ける利子について、所得税を非課税とする措 置が講じられました。

 第二に、特定外国子会社等に係る所得の課税の 特例(いわゆる外国子会社合算税制)等について、 ①特定外国子会社等に該当することとされる著し く低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税 率)の20%未満(改正前20%以下)への変更、② 外国子会社合算税制の適用除外基準(事業基準に おける「被統括会社」の範囲、事業基準の判定に おける「統括会社」・「事業持株会社」の要件等) の見直しを行いました。

 第三に、国際課税原則の帰属主義への変更の円 滑な実施のための改正を行いました。平成26年度 税制改正で、OECDモデル租税条約の考え方に基 づいて、国際課税原則の帰属主義への変更(平成 28年 4 月 1 日施行)が措置されましたが、こうし た変更が円滑に実施されるよう、各種の措置が講 じられました。

 これら国際課税の改正は、次の法令により行わ れています。

(法律)

・  所得税法等の一部を改正する法律(平成 27. 3 .31法律第 9 号)

(政令)

・  所得税法施行令の一部を改正する政令(平成 27. 3 .31政令第141号)

・  法人税法施行令等の一部を改正する政令(平 成27. 3 .31政令第142号)

・  地方法人税法施行令の一部を改正する政令 (平成27. 3 .31政令第143号)

(3)

令(平成27. 3 .31政令第148号)

・  復興特別所得税に関する政令の一部を改正す る政令(平成27. 3 .31政令第152号)

・  復興特別法人税に関する政令の一部を改正す る政令(平成27. 3 .31政令第153号)

(省令)

・  租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関 する省令の一部を改正する省令(平成27. 3 .31 総務省・財務省令第 3 号)

・  所得税法施行規則等の一部を改正する省令 (平成27. 3 .31財務省令第22号)

・  法人税法施行規則の一部を改正する省令(平 成27. 3 .31財務省令第23号)

・  租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租 税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正 する省令(平成27. 3 .31財務省令第29号) ・  租税特別措置法施行規則等の一部を改正する

省令(平成27. 3 .31財務省令第30号)

・  内国税の適正な課税の確保を図るための国外 送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規 則の一部を改正する省令(平成27. 3 .31財務省 令第32号)

・  東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律 の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正 する省令(平成27. 3 .31財務省令第33号) ・  復興特別所得税に関する省令の一部を改正す

る省令(平成27. 3 .31財務省令第34号)

・  国税質問検査章規則等の一部を改正する省令 (平成27. 3 .31財務省令第39号)

・  法人税法施行規則の一部を改正する省令(平 成27. 4 .15財務省令第46号)(申告書別表関係) (告示)

・  法人税法施行規則(昭和40年大蔵省令第12 号)第 8 条の 3 の10第 3 項(同令第26条の 3 第 4 項及び第37条の 3 の 2 第 3 項において準用す る場合を含む。)及び第59条第 3 項(同令第26 条の 3 第 3 項、第26条の 5 第 2 項、第37条の 3 の 2 第 4 項、第62条及び第67条第 3 項において 準用する場合を含む。)の規定に基づき、これ らの規定に規定する保存の方法を定める件の一 部を改正する件(平成27. 3 .31財務省告示第 101号)

・  所得税法施行規則第56条第 1 項ただし書、第 58条第 1 項及び第61条第 1 項の規定に基づき、 これらの規定に規定する記録の方法及び記載事 項、取引に関する事項並びに科目を定める件の 一部を改正する件(平成27. 4 .15財務省告示第 146号)

・  所得税法施行規則第63条第 5 項に規定する保 存の方法を定める件の一部を改正する件(平成 27. 4 .15財務省告示第147号)

・  所得税法施行規則第102条第 1 項に規定する 総収入金額及び必要経費に関する事項の簡易な 記録の方法を定める件の一部を改正する件(平 成27. 4 .15財務省告示第148号)

一 外国子会社配当益金不算入制度の改正

1  改正前の制度の概要

 外国子会社配当益金不算入制度は、外国子会社 から受ける剰余金の配当等に係る国際的な二重課 税を排除するため、内国法人が外国子会社から受 ける剰余金の配当等の額を益金不算入とする制度 です。

⑴ 外国子会社の範囲

 外国子会社配当益金不算入制度の適用を受け る内国法人に係る外国子会社は、次の要件を満 たす外国法人とされています(旧法法23の 2 ①、 旧法令22の 4 ①)。

① 次のイ又はロの割合のいずれかが25%以上 となっていること。

(4)

の発行済株式又は出資(その外国法人の保 有する自己の株式又は出資を除きます。) の総数又は総額(以下「発行済株式等」と いいます。)のうち内国法人が保有してい る株式又は出資の数又は金額の占める割合 ロ 外国子会社の判定の対象となる外国法人 の発行済株式等のうちの議決権のあるもの のうち内国法人が保有している議決権のあ る株式又は出資の数又は金額の占める割合 ② 上記①の状態が外国子会社配当益金不算入 制度の適用を受ける剰余金の配当等の額の支 払義務が確定する日(その剰余金の配当等の 額が法人税法第24条第 1 項(配当等の額とみ なす金額)の規定によりみなされる金額(資 本の払戻しに係る部分を除きます。)である 場合には、支払義務が確定する日の前日)以 前 6 月以上継続していること。

⑵ 剰余金の配当等の額

 外国子会社配当益金不算入制度の対象となる 剰余金の配当等の額は、法人税法第23条第 1 項 第 1 号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金 額、すなわち、剰余金の配当、利益の配当又は 剰余金の分配の額とされています(旧法法23の

2 ①)。

⑶ 益金不算入額の計算

 外国子会社配当益金不算入制度により益金不 算入とされる額は、外国子会社から受ける剰余 金の配当等の額からその剰余金の配当等の額に 係る費用の額に相当するものとして計算された 金額を控除した金額とされています(旧法法23 の 2 ①)。

 剰余金の配当等の額に係る費用の額に相当す る金額とは、具体的にはその剰余金の配当等の 額の 5 %相当額とされ、結果的には剰余金の配 当等の額の95%相当額が益金不算入となります (旧法令22の 4 ②)。

⑷ 適用要件

 外国子会社配当益金不算入制度は、確定申告 書、修正申告書又は更正請求書に益金不算入と される剰余金の配当等の額及びその計算に関す る明細を記載した書類の添付があり、かつ、次 の書類を保存している場合に限り、適用するこ ととされています(旧法法23の 2 ③、旧法規 8 の 5 )。

① 外国法人が外国子会社に該当することを証 する書類

 具体的には、内国法人の持株割合が25%以 上であること、剰余金の配当等の額の支払義 務が確定する日及び保有期間が 6 月以上であ ることを証する書類として配当通知書や資本 金の払い込みを証する書類等がこれに当たり ます。

② 外国子会社の益金不算入とされる剰余金の 配当等の額に係る事業年度の貸借対照表、損 益計算書及び株主資本等変動計算書、損益金 の処分に関する計算書その他これらに類する 書類

③ 剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の 額がある場合のその外国源泉税等の額が課さ れた申告書の写し等又は納付がされている場 合の納付書等のタックス・レシート

 なお、益金不算入とされる金額は確定申告書 等に添付した書類に記載された金額を限度とす ることとされています(旧法法23の 2 ③)。ま た、その書類の保存がない場合においても、そ の書類の保存がなかったことについてやむを得 ない事情があると税務署長が認めるときには、 その書類の保存がなかった金額につき制度の適 用をすることができるものとして、宥恕規定が 設けられています(旧法法23の 2 ④)。

⑸ 外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉 税等の損金不算入等

(5)

 外国子会社から受ける剰余金の配当等の額 につき外国子会社配当益金不算入制度の適用 を受ける場合には、その剰余金の配当等の額 に係る外国源泉税等の額は、損金不算入とさ れます(旧法法39の 2 )。

② 外国源泉税等の額の外国税額控除制度の不 適用

 外国子会社から受ける剰余金の配当等の額 に係る外国源泉税等の額については、外国税 額控除制度の対象となる控除対象外国法人税 の額に含まれないこととされています(旧法 法69、旧法令142の 2 ⑦三)。

2  改正の内容

 通常、配当は、支払法人の所得の金額の計算上 損金の額として認識されませんが、一部の外国の 法令により、外国子会社の所得の金額の計算上損 金の額に算入される配当(いわゆる損金算入配 当)があります。そのような配当の支払を受けた 内国法人においては、本制度により益金に算入さ れず課税されないこととなり、国際的な二重非課 税が生ずることとなります。

 このような国際的な二重非課税への対応として、 OECDの「税源浸食と利益移転(BEPS)プロジ ェクト」の報告書において、配当益金不算入制度 を採用している国は、損金算入配当を配当益金不 算入制度の対象外とするよう勧告がなされました。 この勧告を踏まえ、今回の改正において、損金算 入配当が外国子会社配当益金不算入制度の対象か ら除外されました。

(注) 今回の改正においては、外国子会社から受 ける剰余金の配当等が損金算入配当に該当し ないことを明らかにする書類について特段の 改正は行われていません。支払配当の損金算 入制度を有する一部の外国の制度を前提とす ると、損金算入配当に該当しないことを確認 するために最低限必要な書類としては、①外 国子会社から受ける剰余金の配当等の元本で ある株式等の種類(普通株式か優先株式か等) を確認できる書類や、②損益金の処分の決議

に関する事項が記載された株主総会の決議書 等が考えられます。これらの書類については、 外国子会社配当益金不算入制度を適用する場 合に保存しなければならないこととされる、 「剰余金の配当等の額を支払う外国法人が外国 子会社に該当することを証する書類」(法規 8 の 5 ①一)や「外国子会社の剰余金の配当等 の額に係る事業年度の損益金の処分に関する 計算書その他これに類する書類」(法規 8 の 5 ①二)に該当するものと考えられ、現行規定 において既に保存義務が課されていると考え られることから、新たに保存義務を課す改正 は行われていません。

⑴ 益金不算入の対象から除外される剰余金の配 当等の額

① 原則法

 内国法人が外国子会社から受ける剰余金の 配当等の額で、その剰余金の配当等の額の全 部又は一部がその外国子会社の本店所在地国 の法令においてその外国子会社の所得の金額 の計算上損金の額に算入することとされてい る剰余金の配当等の額に該当する場合におけ るその剰余金の配当等の額は、益金不算入の 対象外とされました(法法23の 2 ②一)。こ れは、損金算入配当といった性質を備えてい る剰余金の配当等である場合には、その剰余 金の配当等を受ける内国法人において、その 受けた剰余金の配当等の額の全額を益金不算 入の対象外とするというものです。

(6)

② 実額法

 損金算入配当は、原則として上記①の原則 法により益金不算入の対象外とされますが、 実際に外国子会社の所得の金額の計算上損金 の額に算入された金額に対応する受取配当の 額をもって、益金不算入の対象外とされる金 額とする実額法を選択することができます。 具体的には、内国法人が外国子会社から受け る剰余金の配当等の額で、その剰余金の配当 等の額の一部がその外国子会社の所得の金額 の計算上損金の額に算入されたものである場 合には、上記①にかかわらず、その受ける剰 余金の配当等の額のうちその損金の額に算入 された部分の金額(以下「損金算入対応受取 配当等の額」といいます。)をもって、益金 不算入の対象外とされる金額とすることがで きることとされています(法法23の 2 ③)。 イ 損金算入対応受取配当等の額

 損金算入対応受取配当等の額は、内国法 人が外国子会社から受けた剰余金の配当等 の額に、イに掲げる金額のロに掲げる金額 に対する割合(イにおいて「損金算入配当 割合」といいます。)を乗じて計算した金 額その他合理的な方法により計算した金額

とされています(法令22の 4 ④)。 イ ロに掲げる剰余金の配当等の額のうち

その外国子会社の所得の金額の計算上損 金の額に算入された金額

ロ その内国法人がその外国子会社から受 けた剰余金の配当等の額の元本である株 式又は出資の総数又は総額につきその外 国子会社により支払われた剰余金の配当 等の額

 損金算入対応受取配当等の額は、内国法 人が外国子会社から受けた剰余金の配当等 の額のうち、実際にその外国子会社の所得 の金額の計算上損金の額に算入された部分 の金額を表すものです。内国法人が外国子 会社の株式等を100%保有していない場合 には、その外国子会社から受けた剰余金の 配当等の額のうち、外国子会社における損 金算入配当の総額に対応した金額を算定す る必要があります。そこで、内国法人が外 国子会社から受けた剰余金の配当等の額に、 その外国子会社における損金算入配当割合 を乗じて計算した金額を損金算入対応受取 配当等の額としているものです。

 具体的な計算例で示すと以下のとおりです。

《設例》 【計算の前提】

① 内国法人による外国子会社の発行済株式の保有割合:50% ② 内国法人が外国子会社から受けた剰余金の配当等の額:50 ③ 内国法人の当期利益:50

④ 外国子会社の剰余金の配当等の支払総額:100

⑤ ④のうち外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額:80

原則法の適用(法法23の 2 ②一) 実額法(法法23の 2 ③) 益金不算入の対象外とされる金額 50(受取配当の全額) 40(50×80/100) 益金不算入の対象とされる金額 ― 9.5((50-40)×95%)

所得の金額 50 40.5(50-9.5)

【原則法の適用】

➢ 原則法においては、その受けた剰余金の配当等の額の全額(50)が益金不算入の対象外とされます。

【実額法の適用】

➢ 原則法に代えて、実際に外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額に対応する受取配当

の額(損金算入対応受取配当等の額:40)をもって、益金不算入の対象外とされる金額とする実額法を選 択することができます。

➢ 益金不算入の対象とされる金額は、内国法人が受けた剰余金の配当等の額(50)から損金算入対応受取配

(7)

ロ 適用要件

 実額法は、剰余金の配当等の額を受ける 日の属する事業年度に係る確定申告書、修 正申告書又は更正請求書に実額法の適用を 受けようとする旨並びに損金算入対応受取 配当等の額及びその計算に関する明細を記 載した書類の添付があり、かつ、次の書類 を保存している場合に限り、適用すること とされています(法法23の 2 ⑦、法規 8 の

5 ②)。

イ 外国子会社の所得の金額の計算上損金 の額に算入された剰余金の配当等の額を 明らかにする書類

ロ 外国子会社の本店所在地国の法令によ り課される法人税に相当する税に関する 申告書でイの剰余金の配当等の額に係る 事業年度に係るものの写し

ハ 損金算入対応受取配当等の額の計算に 関する明細を記載した書類

ニ 外国子会社の剰余金の配当等の額に係

る事業年度の貸借対照表、損益計算書及 び株主資本等変動計算書、損益金の処分 に関する計算書その他これらに類する書 類

ホ その他参考となるべき事項を記載した 書類

⑵ 原則法と実額法の選択

 上記②ロのとおり、実額法は、剰余金の配 当等の額を受ける日の属する事業年度に係る確 定申告書、修正申告書又は更正請求書に一定の 書類の添付があり、かつ、一定の書類を保存し ている場合に限り、適用することとされていま す。また、内国法人の確定申告の時点では上記

①の原則法に基づく金額を益金の額に算入し、 その後、更正の請求によって、配当受領事業年 度の益金算入額について実額法による計算を行 うこともできます。

 具体的な例を示すと、以下のとおりです。

①配当受領(支払)事業年度 【原則法】

例 1

外国子会社 支払配当 100

受取配当 100

損金算入

90 損金算入 90

益金算入 90

損金算入 70

益金算入 70 益金算入

100 内国法人

③子会社への外国当局による 調査又は子会社の自発的な修 正による損金算入額の変動

【実額法】 <前提>

内国法人が外国子会社から剰余金の配当等100(外国子会社の本店所在地国の法令上90が損金算入とされる)の支払を受けた場合

②子会社の申告による 損金算入額の確定

【実額法】

<原則>

調整不要 <原則>調整不要

【法法23の 2 ③】

【法法23の 2 ②一】 【法法23の 2 ③】 (これも可) (これも可)

益金不算入10 益金不算入 10

益金不算入 20 減額 20

<① 配当受領事業年度における内国法人の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、その剰余金の配当等の額の一部(90)でも外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入される場合には、その支 払を受ける剰余金の配当等の額の全額(100)が内国法人の所得の金額の計算上益金の額に算入されます。

<② ①の配当受領事業年度後に、外国子会社の申告により①の配当支払事業年度の損金算入額が確定した場合の内国法人の①の配当受領事業年度 に係る益金算入額の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、①の配当受領事業年度の益金算入額を調整する必要はありません。

➢ 【実額法】を適用すると、更正の請求によって、①の配当受領事業年度の益金算入額を減額すること(100→90)が可能です。

<③ ②の後の事業年度に、外国子会社の①の配当支払事業年度の損金算入額が減額した場合の内国法人の①の配当受領事業年度に係る益金算入額 の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、①の配当受領事業年度の益金算入額を調整する必要はありません。

➢ 【実額法】を適用すると、更正の請求によって、①の配当受領事業年度の益金算入額を減額すること(100→70)が可能です。

(8)

⑶ 実額法の適用を受けた後に損金算入対応受取 配当等の額が増額された場合

 内国法人が外国子会社から受けた剰余金の配 当等の額につき上記②の実額法の適用を受け た場合において、その剰余金の配当等の額を受 けた日の属する事業年度後の各事業年度におい て損金算入対応受取配当等の額が増額されたと きは、益金不算入の対象外とされる金額は、そ の増額された後の損金算入対応受取配当等の額 とされます(法法23の 2 ④)。したがって、こ

の場合には、その剰余金の配当等の額を受けた 日の属する事業年度の益金不算入額を再計算す る必要があります。内国法人が外国子会社から 受けた剰余金の配当等の額に係る益金算入部分 の金額につき修正を行うことから、損金算入対 応受取配当等の額の増額のあった当期において 修正処理を行うのでなく、内国法人のその剰余 金の配当等の額を受けた日の属する事業年度に 遡って修正処理を行うこととなります。  具体的な例を示すと、以下のとおりです。

⑷ 外国子会社から受ける剰余金の配当等に係る 外国源泉税等の損金不算入等

 今回の改正において損金算入配当が益金不算 入の対象から除外されたことに伴い、外国子会 社から受ける剰余金の配当等に係る外国源泉税 等の損金不算入及びその外国源泉税等の外国税 額控除に関する規定について見直しが行われま した。

① 剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の 額の損金不算入

 今回の改正において外国子会社から受ける 損金算入配当が益金不算入の対象から除外さ れたことに伴い、益金不算入の対象から除外 される配当に係る部分の外国源泉税等が損金 不算入の対象外とされました(法法39の 2 )。 これは、外国子会社から受ける損金算入配当 は、益金不算入の対象外とされることにより、 内国法人の課税所得に算入されることから、 その損金算入配当の額を獲得するために要し た費用についても課税所得の計算上損金算入 原則法と実額法の選択②

①配当受領(支払)事業年度 【原則法】

例 2

外国子会社 支払配当100

受取配当 100

損金算入

50 損金算入50

益金算入 50

損金算入 50

益金算入 50 益金算入 20 益金算入

100 内国法人

③子会社への外国当局による 調査又は子会社の自発的な修 正による損金算入額の変動

【実額法】 ②子会社の申告による

損金算入額の確定 【実額法】

<原則>

調整不要 <原則>調整不要

②で事後調整をした場合は損金算入の 増額後の金額について益金算入する必要

【法法23の 2 ③】

【法法23の 2 ②一】 【法法23の 2 ④】 (これも可)

益金不算入 50

益金不算入  30

増額 20 <前提>

内国法人が外国子会社から剰余金の配当等100(外国子会社の本店所在地国の法令上50が損金算入とされる)の支払を受けた場合

<① 配当受領事業年度における内国法人の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、その剰余金の配当等の額の一部(50)でも外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入される場合には、その支 払を受ける剰余金の配当等の額の全額(100)が内国法人の所得の金額の計算上益金の額に算入されます。

<② ①の配当受領事業年度後に、外国子会社の申告により①の配当支払事業年度の損金算入額が確定した場合の内国法人の①の配当受領事業年度 に係る益金算入額の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、①の配当受領事業年度の益金算入額を調整する必要はありません。

➢ 【実額法】を適用すると、更正の請求によって、①の配当受領事業年度の益金算入額を減額すること(100→50)が可能です。

<③ ②の後の事業年度に、外国子会社の①の配当支払事業年度の損金算入額が増額した場合の内国法人の①の配当受領事業年度に係る益金算入額 の処理>

➢ 【原則法】を適用すると、①の配当受領事業年度の益金算入額を調整する必要はありません。

(9)

し、費用収益を対応させるという趣旨のもの です。

② 外国源泉税等の額の外国税額控除制度  今回の改正において外国子会社から受ける 損金算入配当が益金不算入の対象から除外さ れたことに伴い、適切な二重課税排除の観点 から、益金不算入の対象から除外される剰余 金の配当等の額に係る部分の外国源泉税等が

外国税額控除の対象とされました(法法69、 法令142の 2 ⑦三)。

(注) 内国法人が外国税額控除の適用を受ける 場合には、その外国源泉税等の額は損金不 算入とされます(法法41)。

(参考) 外国源泉税等の額の処理を含めた課税関 係を示すと、以下のとおりです。

外国法人から受ける配当 受取配当に係る課税(法法23の 2 ) 受取配当に係る外国源泉税(法法39の 2 )【費用収益対応】 受取配当に係る外国源泉税についての外税控除(法令142の 2 ⑦三)【二重課税の排除】

ベン図①の配当 課税 (損金算入)* あり

ベン図②の配当 (法法23の 2 ①)95%免除 損金不算入 なし

ベン図③の配当 (法法23の 2 ②)課税 (損金算入)* あり

ベン図④の 配当(注)

支払国において損金算

入された部分 (法法23の 2 ②③)課税 (損金算入)* あり 支払国において損金算

入されなかった部分 (法法23の 2 ①)95%免除 損金不算入 なし (*) 外国税額控除を行う場合には、グロスアップのため損金不算入となります(法法41)。

(注) 「実額法」を適用した場合の処理を示します。なお、「原則法」を適用した場合は、ベン図③の配当を受けた場合の課税関係と 同様です。

3  適用関係

 上記2の改正は、現在計画中の投資案件の見直 しに要する期間を考慮して、内国法人が平成28年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において外国子 会社から受ける剰余金の配当等の額について適用 し、内国法人が同日前に開始した事業年度におい て外国子会社から受けた剰余金の配当等の額につ いては従前どおりとされています(改正法附則24①)。

 また、既に行った投資に係る課税関係の激変緩 和の観点から、内国法人の平成28年 4 月 1 日から 平成30年 3 月31日までの間に開始する各事業年度 において受ける剰余金の配当等の額(平成28年 4 月 1 日において保有する外国子会社に該当する外 国法人の株式等に係るものに限ります。)に係る 本制度の適用についても従前どおりとされていま す(改正法附則24②)。

内国法人が外国法人から受ける配当に係る課税関係

外国法人から受ける配当 ①

④ 一部課税 損金算入配当(一部) 課税

課税

損金算入配当(全額) 外国子会社からの配当 (持株割合25%以上)

(10)

二  非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度

の整備

1  制度整備の背景・趣旨等

⑴ 租税条約等に基づく税務当局間の情報交換の 概要

 経済取引のグローバル化が進展する中で、国 境を越える取引が恒常的に行われ、資産の保 有・運用の形態も複雑化・多様化していますが、 租税の賦課徴収を確実に行うためには、国内で 入手できる情報だけではなく、国外にある情報 を適切に入手することが重要です。しかしなが ら、この国外にある情報を入手するには外国の 主権(執行管轄権)により制約を受けます。こ のため、わが国を含め、各国の税務当局は租税 条約等に基づき租税に関する情報を互いに提供 する仕組み(情報交換)を設け、国際的な脱税 及び租税回避に対処しています。

 わが国は、平成27年 6 月 1 日現在、64の租税 条約等を締結し、90か国・地域に適用されてい ますが、全ての租税条約等に情報交換に関する 規定が定められています。

 この租税条約等に基づく税務当局間の情報交 換には、①要請に基づく情報交換、②自発的情 報交換、及び③自動的情報交換の 3 つの形態が あり、近年、わが国では、年間数十万件の情報 交換を実施しています。

(注) 「租税条約等」には、租税条約のほか、わが 国が締結したその他の国際約束(行政取極) で租税に関する情報を相互に提供することを 定める規定を有するものが含まれます(実特 法 2 二)。

(参考 1 ) 平成27年 6 月 1 日現在、わが国が締結 している条約数及び適用されている国・ 地域数の内訳は、以下のとおりです。 ① 二重課税の回避、脱税及び租税回避

等への対応を主たる内容とする条約: 53条約、64か国・地域

② 租税に関する情報交換を主たる内容 とする条約:10条約、10か国・地域(う ち、行政取極に基づく情報交換協定を 締結している国・地域は 5 条約、 5 か 国・地域)。なお、わが国が締結してい る情報交換協定は、情報交換の形態が 「要請に基づく情報交換」に限定されて

います。

③ 税務行政執行共助条約(締約国はわ が国を除いて全48か国、うちわが国と 二国間条約を締結していない国は16か 国)

(参考 2 ) 平成25年 7 月から平成26年 6 月までに おけるわが国の税務当局間の情報交換の 実績は、以下のとおりです(平成26年11月、 国税庁「平成25事務年度における租税条 約等に基づく情報交換事績の概要」)。 ① 要請に基づく情報交換

イ 国税庁から外国税務当局への要請 件数:720件

ロ 外国税務当局から国税庁への要請 件数:106件

② 自発的情報交換

イ 国税庁から外国税務当局への提供 件数:6,881件

ロ 外国税務当局から国税庁への提供 件数:3,062件

③ 自動的情報交換

イ 国税庁から外国税務当局への提供 件数:126,000件

(11)

⑵ 自動的情報交換を巡る国際的な取組みの経緯

 2008年のUBS事件等を受けて、米国内で批判 が高まり、2010年 3 月、米国市民による外国の 金融機関の口座を利用した脱税を防止する「外 国口座税務コンプライアンス法(FATCA: Foreign Account Tax Compliance Act)」が米 国で成立し、2012年に欧州 5 か国がFATCAへ の対応について米国と合意したことを契機とし て、OECDは、税務当局間で非居住者の口座情 報を提供し合う自動的情報交換に関する国際基 準の策定に着手しました。

 2013年 9 月にサンクトペテルブルグで行われ たG20首脳会議においては、OECDによる国際 基準の策定を支持するとともに、2014年央まで に自動的情報交換の技術的様式を完成させるこ とにコミットしました。

(参考) G20サンクトペテルブルグ・サミット首脳 宣言(仮訳抜粋)

 我々は、税の透明性の分野で達成された 最近の進展を称賛し、多国間及び二国間の 自動的情報交換のための真にグローバルな モデルに関するOECDの提案を完全に支持

する。その他のあらゆる国・地域に、可能 な限り早期に我々に加わることを求めつつ、 我々は、新しい国際基準としての自動的情 報交換にコミットしている。なお、当該基 準は守秘義務と交換された情報の適切な使 用を確保しなければならない。我々は、 2014年 2 月までに、自動的情報交換のため のそうした新しい単一の国際基準を提示す ることを目的とした、G20諸国とともに行う OECDの作業を完全に支持し、2014年央ま でに効果的な自動的交換の技術的様式を完 成させることにコミットする。並行して、 我々は、2015年末までにG20諸国間で、税に 関する自動的情報交換が開始されることを 期待する。

  そ し て、2014年 1 月、OECD租 税 委 員 会 が 「 共 通 報 告 基 準(CRS:Common Reporting

Standard)」を承認し、同年 2 月にOECDがこ れを公表し、同月にシドニーで行われたG20財 務大臣・中央銀行総裁会議がこれを支持するに 至りました。その後、同年 7 月に共通報告基準 の統一的な適用を確保するための実施細目を定

④関連情報の提供

国税庁 外国税務当局

1 .要請に基づく情報交換

①調査(課税上の問題の把握) ③調査(情報収集)

2 .自発的情報交換

3 .自動的情報交換

国税庁 ②一方的に情報提供 外国税務当局

①調査(外国における課税上の問題の把握)

国税庁 ②大量一括の情報提供 外国税務当局

①法定調書から情報収集

②情報交換要請

(12)

めた共通報告基準のコメンタリー及び税務当局 間の情報に用いるデータ言語構造や情報の送受 信手段等の必要な技術的側面(CRSスキーマ) も公表されています。

(参考) G20財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮 訳抜粋)

 我々は、相互主義に基づく、税に関する 情報の自動的な交換のための共通報告基準 を支持し、 9 月の会合において我々の実施 計画を詳細にするために、我々の金融機関 を含む、全ての関係団体と協働していく。

⑶ 共通報告基準の概要

 「共通報告基準」は、自動的情報交換の対象 となる非居住者の口座の特定方法や情報の範囲 等を各国で共通化する国際基準であり、これを 通用することにより、金融機関の事務負担を軽 減しつつ、金融資産の情報を各国税務当局間で 効率的に交換し、外国の金融機関の口座を通じ た国際的な脱税及び租税回避に対処することを 目的としています。

 「共通報告基準」の概要は、以下のとおりで す。

① 各国の税務当局は、それぞれ自国に所在す る金融機関から非居住者(個人・法人等)に 係る金融口座情報を報告させ、非居住者の各 居住地国の税務当局に対して年一回まとめて 互いに提供することとされています。

(注) 共通報告基準に従った税務当局間の自動 的情報交換は、実際には、共通報告基準に 従って情報交換をすることについて税務当 局間で合意した上で、実施されることとな ります。

 非居住者に係る金融口座情報を報告する義 務を負う金融機関は、銀行等の預金機関 (Depository Institution)、 生 命 保 険 会 社

等 の 特 定 保 険 会 社(Speciied Insurance Company)、証券会社等の保管機関(Custodial Institution) 及 び 信 託 等 の 投 資 事 業 体 (Investment Entity)とされています。また、

報告の対象となる口座は、普通預金口座等の 預金口座(Depository Account)、キャッシ ュバリュー保険契約・年金保険契約(Cash Value Insurance Contract, Annuity Contract)、証券口座等の保管口座(Custodial Account) 及 び 信 託 受 益 権 等 の 投 資 持 分 (Equity Interest)とされ、報告の対象とな る口座情報は、口座保有者の氏名・住所、納 税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受 取総額等とされています。

② 金融機関は、共通報告基準に定められた手 続に従って、口座保有者の居住地国を特定し、 報告すべき口座を選別することとされていま す。具体的には、新規開設口座については金 融機関が口座開設者から居住地国を聴取する 等して居住地国を特定し、既存の口座につい ては金融機関が口座保有者の住所等の記録か ら居住地国を特定することにより、報告すべ き口座の選別が行われます。

⑷ 共通報告基準の実施スケジュール及びわが国 の対応

 2014年 9 月のG20財務大臣・中央銀行総裁会 議及び同年11月のG20首脳会議は、最終決定さ れた共通報告基準を承認し、所要の法制手続の 完了を条件として、2017年又は2018年末までに、 自動的情報交換を開始することにコミットしま した。平成27年 6 月 1 日現在、わが国を含む90 を超える国・地域が、2018年(平成30年)まで にこの共通報告基準に従った情報交換を開始す ることを表明しています。

(参考) G20ブリスベン・サミット首脳宣言(仮訳 抜粋)

(13)

様に行動するとの金融センターのコミット メントを歓迎し、また、全ての国・地域に 対して、我々に加わるよう要請する。我々は、 開発途上国が自らの懸念に対処するために、 BEPSプロジェクトにより深く関与すること

を歓迎する。我々は、開発途上国と共に、 その税務執行能力を開発し、AEOIを実施す るために取り組む。

 このような経緯を経て、各国は共通報告基準 を実施するための国内法制を整備する段階に移

① 報告義務を負う金融機関(報告金融機関)のカテゴリー

預金機関

(Depository Institution) 【例】銀行、信用金庫等

保管機関

(Custodial Institution) 【例】証券会社等

特定保険会社

(Specified Insurance Company) 【例】生保会社、損保会社等 投資事業体

(Investment Entity) 【例】投資信託、組合等

② 報告の対象になる金融口座(報告対象口座)のカテゴリー

(注)一定の金融機関は報告対象から除外(政府機関、一定の年金基金等、又はそれらに実質的に類似するものとして国内法で定めるもの)

預金口座

(Depository Account)

保管口座

(Custodial Account) キャッシュバリュー保険契約、年金保険契約 (Cash Value Insurance Contract、

Annuity Contract) 投資持分

(Equity Interest) 【例】普通預金、定期預金等 【例】証券口座等 【例】信託、組合の持分等

③ 金融機関が所定の手続により「報告対象口座」(Reportable Account)として特定した口座

(注)一定の金融口座は報告対象から除外(一定の要件を満たす預金口座等、又はそれらに実質的に類似するものとして国内法で定めるもの)

報告対象者である個人が保有する口座 報告対象者が支配する受動的非金融機関事業体が保有する口座

(注)報告対象国(自動的情報交換の相手国)の居住者を報告対象者  といい、以下の事業体を除く。

  ・公開法人及びその関連事業体   ・政府系事業体、国際機関、中央銀行   ・金融機関(上記①)

報告対象者である事業体が保有する口座

受動的非金融機関事業体 金融口座

保有

支配

金融口座 (個人・事業体)報告対象者 保有

報告対象者 (個人) 共通報告基準における「報告金融機関・報告対象口座」のカテゴリー

個人口座 事業体口座

新規 ・ 口座開設者からの自己宣誓書により居住地国を特定 ・ 口座開設者からの自己宣誓書等により法人等(及びその支配者)の居住地国を特定

既存

低額口座(残高100万ドル以下)

以下のいずれかの方法を実施して居住地国を特定 ・ 公的証明書等により確認された現住所の記録による

特定

・ 金融機関が管理する顧客情報の電子的記録検索

残高25万ドル以下

・ 手続不要

高額口座(残高100万ドル超)

以下の全ての方法を実施して居住地国を特定 ・ 金融機関が管理する顧客情報の電子的記録検索 ・ 金融機関が管理する紙媒体の顧客情報の検索 ・ リレーションシップマネージャーからの聴取

残高25万ドル超

以下の点を、金融機関の保有情報や公開情報等により特

・ 口座を保有する法人等の居住地国

・ 口座を保有する法人等が受動的非金融機関事業体で ある場合には、その支配者の居住地国

(注) 「受動的非金融機関事業体」とは、主として収 入が投資所得で構成される事業体等をいいます。

(14)

行することとなり、わが国においては、平成27 年度税制改正において、この共通報告基準に従 った情報交換を実施する観点から、非居住者に 係る金融口座情報の自動的交換のための報告制 度を整備することとされました。

 なお、本制度の施行に当たっては、金融機関 のシステム整備等の準備期間を考慮して 2 年弱

の期間を置くこととされており、わが国におい ては、2017年(平成29年)から金融機関による 対象口座の特定手続を行い、2018年(平成30 年)に2017年(平成29年)分の報告を金融機関 から受け、租税条約等に基づき、共通報告基準 に従った税務当局間の情報交換を開始すること としています。

2  制度の内容

⑴ 制度の概要

① 居住地国等の特定手続

イ 新規特定取引(平成29年 1 月 1 日以後に 行う特定取引)を行う者による新規届出書 の提出

 平成29年 1 月 1 日以後に報告金融機関等 との間でその営業所等を通じて特定取引を 行う者は、特定対象者の氏名又は名称、住 所又は本店若しくは主たる事務所の所在地、 居住地国、外国の納税者番号等を記載した 届出書を、その特定取引を行う際、当該報 告金融機関等の営業所等の長に提出しなけ ればならないこととされました。

ロ 報告金融機関等による既存特定取引(平 成28年12月31日以前に行われた特定取引) に係る特定対象者の住所等所在地国と認め られる国又は地域の特定手続

 報告金融機関等は、平成28年12月31日以

前に特定取引を行った者で同日において当 該特定取引に係る契約を締結しているもの につき、平成30年12月31日(一定の特定取 引に係る契約については平成29年12月31 日)までに、所定の特定手続を実施した上、 当該報告金融機関等の保有する特定対象者 に関する情報に基づき当該特定対象者の住 所等所在地国と認められる国又は地域を特 定しなければならないこととされました。 ② 報告金融機関等による所轄税務署長に対す

る報告事項の提供

 報告金融機関等は、その年の12月31日にお いて、当該報告金融機関等との間でその営業 所等を通じて特定取引を行った者が報告対象 契約を締結している場合には、特定対象者の 氏名又は名称、住所又は本店若しくは主たる 事務所の所在地、居住地国、外国の納税者番 号等及び当該報告対象契約に係る資産の価額、 当該資産の運用、保有又は譲渡による収入金 額を、その年の翌年 4 月30日までに、当該報

わが国のスケジュール

(2018年交換開始) (27年度税制改正)国内法整備

国内法整備 金融機関のシステム整備

金融機関による 対象口座の

特定手続

金融機関による 対象口座の

特定手続

2016年分報告 ↓ 税務当局間の

情報交換

2017年分報告 ↓ 税務当局間の

情報交換 金融機関のシステム整備

2017年に交換開始する 国のスケジュール

2014

(H26) (H27)2015 (H28)2016 (H29)2017 (H30)2018

(参考)

(15)

告金融機関等の本店等の所在地の所轄税務署 長に提供しなければならないこととされまし た。

(注) 上記の報告事項は、共通報告基準におい て税務当局間で情報交換することとされて いる情報を踏まえたものとされており、い わゆる納税者番号については、外国の納税 者番号は報告事項とされますが、わが国の マイナンバー(個人番号)は報告事項とは されていません。なお、報告事項の対象と なる納税者番号の詳細については、下記 ③イを参照してください。

③ その他

イ 報告金融機関等は、新規届出書等の提出 を受けた場合又は特定対象者の住所等所在

地国と認められる国若しくは地域の特定を 行った場合には、特定対象者の特定居住地 国に関する事項等一定の事項に関する記録 を文書等により作成し、保存しなければな らないこととされました。

ロ 税務職員は、報告事項の提供に関する調 査について必要があるときは、当該報告事 項の提供をする義務がある者に質問し、帳 簿書類その他の物件を検査し、又は当該物 件(その写しを含みます。)の提示若しく は提出を求めることができることとされま した。

ハ 届出書の提出義務及び報告事項の提供義 務に対する違反行為等について所要の罰則 を規定することとされました。

⑵ 居住地国等の特定手続

① 新規特定取引に関する特定手続

イ 新規特定取引を行う者による新規届出書 の提出手続

イ 新規特定取引を行う者による新規届出 書の提出

 平成29年 1 月 1 日以後に報告金融機関 等との間でその営業所等を通じて特定取 A

A 国 日本 [H30年に初回の情報交換]

国税庁 A国の税務当局

A国居住者 B

[H30年に H29年分を報告]

X国居住者 口座 日本の金融機関

日本居住者口座 (報告対象外)

B国の税務当局 A国居住者

口座 B国居住者口座

B 国居住者 [H29年から金融機関による手続開始]

B国 ④ 租税条約等に基づき、外国の税務当

局に対して年一回まとめて情報提供

③ 口座保有者(非居住者=報告 対象契約を締結している者)の 氏名・住所、外国の納税者番号、 口座残高、利子・配当等の年間 受取総額等を報告

① 新規口座開設者(=新規特定取引を行う者)による 氏名・住所、居住地国、外国の納税者番号等の届出

② 口座保有者(=既存特定取引を 行った者)の居住地国を特定

(16)

引を行う者は、特定対象者の氏名又は名 称、住所又は本店若しくは主たる事務所 の所在地、居住地国、外国の納税者番号 等一定の事項を記載した届出書(以下 「新規届出書」といいます。)を、その特 定取引を行う際、当該報告金融機関等の 営業所等の長に提出しなければならない こととされています(実特法10の 5 ①前 段)。

(注 1 ) 「営業所等」とは、国内にある営業 所又は事務所(報告金融機関等のう ち下記ⅰⅳbに掲げる組合員等にあ っては、下記ⅰⅳb⒜から⒠までに 掲げる組合契約等によって成立する 組合又は団体の事務所)をいいます (実特法10の 5 ⑦二、実特令 6 の 6 ③)。 (注 2 ) 新規届出書の記載事項の電磁的方

法による提供

 特定取引を行う者は、新規届出書 の提出に代えて、当該新規届出書に 記載すべき事項を電磁的方法により 提供することができることとされて います(実特法10の 5 ⑧)。  上記の「電磁的方法」とは、送信 者等(送信者又は当該送信者との契 約によりファイルを自己の管理する 電子計算機に備え置き、これを受信 者若しくは当該送信者の用に供する 者をいいます。)の使用に係る電子 計算機と受信者等(受信者又は当該 受信者との契約により受信者ファイ ル(専ら当該受信者の用に供せられ るファイルをいいます。(注 2 )にお いて同じです。)を自己の管理する 電子計算機に備え置く者をいいます。 (注 2 )において同じです。)の使用

に係る電子計算機とを接続する電気 通信回線を通じてその提供すべき事 項に係る情報((注 2 )において「記 載情報」といいます。)を送信し、

受信者等の使用に係る電子計算機に 備えられた受信者ファイルに記録す る方法をいいます(実特規16の11①)。  なお、上記の「電磁的方法」は、 受信者ファイルに記録されている記 載情報について、提供を受ける者が 電子計算機の映像面への表示及び書 面への出力ができるようにするため の措置が講じられているものでなけ ればなりません(実特規16の11②)。 (注 3 ) 法令上、新規届出書には所定の事 項を記載しなければならないことと されていますが、その様式は定めら れていません。また、下記②ロイの 任意届出書及び下記①イイの異動 届出書についても、法令上様式は定 められていません。

ⅰ 報告金融機関等の範囲

 「報告金融機関等」とは、次に掲げ る者(下記ⅲ及びⅳに掲げる者にあっ ては、それぞれ一定の要件を満たすも のに限ります。)をいいます(実特法 10の 5 ⑦一、実特令 6 の 6 ①)。 ⅰ 共通報告基準上の「預金機関」に

相当するもの

 銀行、信用金庫、信用金庫連合会、 労働金庫、労働金庫連合会、信用協 同組合、信用協同組合連合会、農業 協同組合、農業協同組合連合会、漁 業協同組合、漁業協同組合連合会、 水産加工業協同組合、水産加工業協 同組合連合会、農林中央金庫、株式 会社商工組合中央金庫及び無尽会社 (実特令 6 の 6 ①一)

ⅱ 共通報告基準上の「特定保険会 社」に相当するもの

(17)

(実特令 6 の 6 ①二)

ⅲ 共通報告基準上の「保管機関」に 相当するもの

 金融商品取引法第 2 条第 9 項に規 定する金融商品取引業者、同条第30 項に規定する証券金融会社、特例業 務届出者(同法第63条第 3 項に規定 する特例業務届出者をいいます。ⅳ において同じです。)、信託会社、信 託業法第50条の 2 第 1 項の登録を受 けた者、貸金業法施行令第 1 条の 2 第 3 号に掲げる者、商品先物取引法 第 2 条第23項に規定する商品先物取 引業者、社債、株式等の振替に関す る法律第 2 条第 2 項に規定する振替 機関及び同条第 4 項に規定する口座 管理機関(実特令 6 の 6 ①三)

(注) 保管機関のうち報告金融機関等 とされるのは、平成23年 1 月 1 日 以後に開始する事業年度のうち連 続する 3 事業年度(その者が個人 である場合にあっては、平成24年 分以後の年分のうち連続する 3 年 間)において、次に掲げる要件の いずれかを満たすものに限られま す(実特規16の 7 ①一)。 a その者の収入金額の合計額の

うちに特定取引(下記ⅱⅰgか らiまでに掲げるものに限りま す。)に係る契約に基づき管理 する金銭又は有価証券(金融商 品取引法第 2 条第 1 項に規定す る有価証券又は同条第 2 項の規 定により有価証券とみなされる 権利をいいます。ⅳ、ⅱⅰg及 びⅳⅰj⒝(注)ⓔにおいて同じ です。)につき当該特定取引を 行った者に提供した役務の対価 の合計額の占める割合が20%以 上であること。

b その者の収入金額の合計額の うちに金融商品取引法第 2 条第 8 項各号に掲げる行為及び商品 先物取引法第 2 条第22項各号に 掲げる行為に係る収入金額の合 計額の占める割合が50%以上で あること。

 保管機関が上記a又はbに掲げ る要件のいずれかを満たした場合 には、その保管機関は、最初にそ の要件を満たした期間の末日から 2 年を経過した日の属する年の12 月31日後、報告金融機関等に該当 するものとされます(実特令 6 の

6 ②、実特規16の 7 ②)。  なお、上記a又はbに掲げる要 件のいずれかを満たすことにより 報告金融機関等に該当することと なった保管機関は、特定取引を行 う際、当該報告金融機関等との間 で当該特定取引を行う者がそれを 認識することができるよう必要な 措置を講じておかなければならな いこととされています(実特規16 の 7 ③)。

ⅳ 共通報告基準上の「投資事業体」 に相当するもの

a 次に掲げる法人(その財産の運 用を金融商品取引業者等(金融商 品取引法第34条に規定する金融商 品取引業者等をいいます。以下同 じです。)又は特例業務届出者が 同法第28条第 4 項各号に掲げる行 為(b及びcにおいて「投資運用 業」といいます。)として行う場 合に限ります。)(実特令 6 の 6 ① 四)

(18)

⒝ 投資信託及び投資法人に関す る法律第 2 条第12項に規定する 投資法人

⒞ 株式会社、合名会社、合資会 社又は合同会社

⒟ 外国の法令に準拠して設立さ れた法人で上記⒜から⒞までに 掲げる法人に類するもの b 次に掲げる組合(その財産の運

用を金融商品取引業者等又は特例 業務届出者が投資運用業として行 う場合に限ります。)の契約の区 分に応じそれぞれ次に定める者 (実特令 6 の 6 ①五)

⒜ 民法第667条第 1 項に規定す る組合契約 当該組合契約によ って成立する組合の業務を執行 する組合員

⒝ 匿名組合契約(これに準ずる 契約を含みます。以下同じで す。) 当該匿名組合契約に基づ いて出資を受ける者

(注) 「匿名組合契約に準ずる契 約」とは、当事者の一方が相 手方の事業のために出資をし、 相手方がその事業から生ずる 利益を分配することを約する 契約をいいます(実特令 6 の

9 ①)。

⒞ 投資事業有限責任組合契約に 関する法律第 3 条第 1 項に規定 する投資事業有限責任組合契約  当該投資事業有限責任組合契 約によって成立する同法第 2 条 第 2 項に規定する投資事業有限 責任組合の業務を執行する無限 責任組合員

⒟ 有限責任事業組合契約に関す る法律第 3 条第 1 項に規定する 有限責任事業組合契約 当該有

限責任事業組合契約によって成 立する同法第 2 条に規定する有 限責任事業組合の業務を執行す る同法第29条第 3 項に規定する 組合員

⒠ 外国における上記⒜から⒟ま でに掲げる契約に類する契約  当該契約によって成立する団体 に係る上記⒜から⒟までに規定 する者に類する者

c 信託(委託者のみが受益者であ る信託以外の信託に限り、かつ、 その信託財産の運用を金融商品取 引業者等又は特例業務届出者が投 資運用業として行う場合に限りま す。)の受託者(実特令 6 の 6 ① 六)

(注) 上記aからcまでに掲げる投資 事業体のうち報告金融機関等とさ れるのは、平成23年 1 月 1 日以後 に開始する当該投資事業体に係る 事業年度又は計算期間のうち連続 する 3 事業年度又は 3 計算期間に おいて、当該投資事業体の収入金 額の合計額のうちに有価証券又は デリバティブ取引(金融商品取引 法第 2 条第20項に規定するデリバ ティブ取引をいいます。以下同じ です。)に係る権利に対する投資 に係る収入金額の合計額の占める 割合が50%以上であるものに限ら れます(実特規16の 7 ①二)。  上記aからcまでに掲げる投資 事業体が上記の要件を満たした場 合には、その投資事業体は、最初 にその要件を満たした期間の末日 から 2 年を経過した日の属する年 の12月31日後、報告金融機関等に 該当するものとされます(実特令

(19)

 なお、上記の要件を満たすこと により報告金融機関等に該当する こととなった投資事業体は、特定 取引を行う際、当該報告金融機関 等との間で当該特定取引を行う者 がそれを認識することができるよ う必要な措置を講じておかなけれ ばならないこととされています (実特規16の 7 ③)。

ⅱ 特定取引の範囲

 「特定取引」とは、次に掲げる場合 の区分に応じそれぞれ次に定める取引 (報告を免れるおそれがない取引とし て除外される一定の取引を除きます。) をいいます(実特法10の 5 ⑦三、実特 令 6 の 7 、実特規16の 8 ②)。 ⅰ 上記ⅰⅰからⅲまでに掲げる者と

の間で行われる場合 次に掲げる取 引

a 預金又は貯金の預入れを内容と する契約の締結

b 銀行法第 2 条第 4 項に規定する 定期積金等の預入れを内容とする 契約の締結

c 無尽業法第 1 条に規定する無尽 に係る契約の締結

d 保険業法第 2 条第 1 項に規定す る保険業を行う者が保険者となる 保険契約(再保険契約を除きます。 以下「保険契約」といいます。) の締結

e 農業協同組合法第10条第 1 項第 10号、水産業協同組合法第11条第 1 項第11号、第93条第 1 項第 6 号 の 2 若しくは第100条の 2 第 1 項 第 1 号又は消費生活協同組合法第 10条第 1 項第 4 号に規定する共済 に係る契約(以下「共済に係る契 約」といいます。)の締結 f 保険契約又は共済に係る契約に

基づく年金(人の生存を事由とし て支払が行われるものに限りま す。)、満期保険金、満期返戻金、 解約返戻金又は満期共済金の受取 g 信託(上記ⅰⅳcの信託を除き ます。)に係る契約(金銭及び有 価証券以外の財産のみを信託財産 とする定めのあるものを除きま す。)の締結

h 社債、株式等の振替に関する法 律第12条第 1 項又は第44条第 1 項 の規定による同法第 2 条第 1 項に 規定する社債等の振替を行うため の口座の開設を受けることを内容 とする契約の締結

i 金銭又は金融商品取引法第 2 条 第 1 項に規定する有価証券の預託 をすることを内容とする契約の締 結

ⅱ 上記ⅰⅳaに掲げる法人との間で 行われる場合 次に掲げるものの取 得による上記ⅰⅳaに掲げる法人と の間の法律関係の成立

a 資産の流動化に関する法律第 2 条第 5 項に規定する優先出資、同 法第26条に規定する優先出資社員 となる権利若しくは同法第 5 条第 1 項第 2 号ニ⑵に規定する引受権 又は同法第 2 条第 7 項に規定する 特定社債

b 投資信託及び投資法人に関する 法律第 2 条第14項に規定する投資 口(bにおいて「投資口」といい ます。)、同条第16項に規定する投 資主となる権利、投資口の割当て を受ける権利若しくは同条第17項 に規定する新投資口予約権又は同 条第19項に規定する投資法人債 c 株式、株主となる権利、株式の

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若しくは新株予約権の割当てを受 ける権利又は社債

d 合名会社、合資会社又は合同会 社の社員の持分、社員となる権利 若しくは出資の割当てを受ける権 利又は社債

e 外国の法令に基づく権利であっ て、上記aからdまでに掲げる権 利に類するもの

ⅲ 上記ⅰⅳbに掲げる組合員等との 間で行われる場合 上記ⅰⅳbに掲 げる組合契約等の締結

ⅳ 上記ⅰⅳcに掲げる信託の受託者 との間で行われる場合 信託行為、 信託法第89条第 1 項に規定する受益 者指定権等の行使、信託の受益権の 譲渡その他の行為による信託の受益 者と受託者との間の法律関係の成立 ⅲ 特定取引から除外される取引の範囲  次に掲げる取引は、報告を免れるお それがない取引として特定取引から除 外することとされています(実特令 6 の 7 柱書、実特規16の 8 ①)。 ⅰ 上記ⅱⅰa、b若しくはdからg

まで又は上記ⅱⅳに掲げる取引のう ち、次に掲げるものに係るもの a 勤労者財産形成促進法第 6 条第

1 項に規定する勤労者財産形成貯 蓄契約、同条第 2 項に規定する勤 労者財産形成年金貯蓄契約及び同 条第 4 項に規定する勤労者財産形 成住宅貯蓄契約、同法第 6 条の 2 第 1 項に規定する勤労者財産形成 給付金契約又は同法第 6 条の 3 第 1 項に規定する勤労者財産形成基 金契約

b 確定給付企業年金法第65条第 3 項に規定する資産管理運用契約、 企業年金基金が同法第66条第 1 項 の規定により締結する同法第65条

第 1 項各号に掲げる契約又は同法 第66条第 2 項に規定する信託の契 約

c 確定拠出年金法第 8 条第 2 項に 規定する資産管理契約又は同法第 23条第 1 項前段(同法第73条にお いて準用する場合を含みます。) の政令で定める運用の方法に該当 する同項各号に掲げる運用の方法 に係る契約

ⅱ 上記ⅱⅰdからfまでに掲げる取 引のうち、次に掲げるものに係るも の

a 保険契約又は共済に係る契約で あって、年金(人の生存を事由と して支払が行われるものに限りま す。)、満期保険金、満期返戻金又 は満期共済金を支払う旨の定めが ないもの(期間の限定がなく、人 の死亡を事由として支払が行われ るものであって、かつ、保険料又 は共済掛金を一時に払い込むこと を内容とするものを除きます。) b 法人税法附則第20条第 3 項に規

定する適格退職年金契約、被用者 の給与等から控除される金銭を保 険料とする保険契約、普通保険約 款において、団体若しくは団体の 代表者を契約者とし、当該団体に 所属する者を保険法第 2 条第 4 号 に規定する被保険者とすることと なっている保険契約若しくは保険 業法施行規則第83条第 1 号イから ホまで若しくは同号リからヲまで に掲げる保険契約又はこれらに相 当する共済に係る契約

ⅲ 上記ⅱⅰg又は上記ⅳに掲げる取 引のうち、次に掲げるものに係るも の

参照

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